【アメリカ新婚旅行】 10日目 part5 帰りは二人バラバラ。飛行機はないし日本に帰れないんじゃいないかな。

飛行機、新妻、私がパスポート、財布とカメラを引き換えに失ったものは大きかった。

人生、いつどこに落とし穴があるかわからない。
上り坂もあれば、下りもある。そして、最後に「まさか」が残っている。

はたから見たら、魂の抜けた青白いアジアの好青年でモデルのようになっていたが、私には必ず帰って迎えにいくという約束がある。
見た目とは裏腹に魂は抜けて無かった。

まず、アメリカに住む姉に電話した。

しかし、姉の家からここまで10時間ぐらいの距離はある。
頼れないが、とにかく携帯の電源が無くなったら連絡が取れないので、姉に連絡してもしもの時ように状況を連絡した。

希望はある。実をいうとここから、Los angeles を経由し羽田に行く。

乗換に1時間30分ぐらいある。これは、Los angeles 空港での乗換が大変な事を知っていたので、予め余裕がある便を選んでおいたのだ。

Los angeles での乗換で、以前ターミナル間を移動させられ、また荷物チェックから開始して酷い目にあった記憶があった。

もし、Los angeles まで行ければなんとか帰れる。

まず、同じ航空会社で Los angeles 行きがあるゲートを探した。

そして、あった。1時間後の出発。
まだ、乗客はほとんどいなかったが、受付の人がいたので、状況を説明して頼みこんだ。

最初は困ったなぁという顔をしていたが、上司と色々やり取りしてくれ、最終的にはマネージャーの女性がやっきて、
彼女から
「なんとかしてあげるから待ってろ」と言われた。

ちなみに、席はもう無いらしい。ビジネスでも追加でもいくらでも払うと説明した。しかし、席がないから仕方がないと言われた。

とにかく、キャンセルがでるまで待つしかない。

だんだん、ゲートに人が増えてきた。

アジアの好青年モデルの男はまだ、青白い顔をして椅子に座って返事を待っていた。

マネージャの女性の方は忙しそうにキーボードを叩いていたり、電話をしていたりした。

そして、彼女から言われた

「席確保したよ!」


私は嬉しさのあまり、
「本当に本当にありがとうございます!」と何度も英語で言った。

ありがとう Delta 航空。 助かりました。

そして、チケットを受け取るとまたお礼を言った。

そして、もう今度は失敗しないとゲートの前でずっと待っていた。

一応姉にも電話して、チケット確保出来た事を伝えた。

あとは Los angeles の乗換だ。

新婚旅行で一人、全財産$10から、パスポート・財布を見事ゲット。残り15分。間に合うか、日本に帰れるのか。

バラバラになったうえに、1時間遅れて乗り継ぎはちゃんといくのか

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【アメリカ新婚旅行】 10日目 part4 新婚旅行で一人、全財産$10から、パスポート・財布を見事ゲット。残り15分。間に合うか、日本に帰れるのか。

また、出発ロビー行きのシャトルバスに乗る。バスの中で待っている間もドキドキだ。

アジアの好青年が、スーツケースも無しにカメラだけでバスに乗っている。

異様な光景だった。
バスが到着すると直ぐに降りたかったが、スーツケース、それに巨大な尻が邪魔をして出られない。

本当に、なんであんなに尻に脂肪が溜まるのか、不思議で仕方ない。

そんな巨大な尻の後ろをとぼとぼと詰めて、バスを降りる。降りたらダッシュ。

そして、やっと。。。。。。

おおおお!!セキュリティーチェックが激混み。しかも、遅い。あと、15分で飛行機は出発か。

とりあえず、警備員に事情を話すが取りあってくれない。

しかし、絶対あきらめない。俺は何としてでも帰る。

帰れない場合は、少ない資金を元手に、水を売って富豪になる。
今度は最初から、クーラーボックスも買える。あっというまに、富豪であろう。

あきらめたら全てが終わる。精神力だけで、ゲートを通ってやる。

そう強く信じていたら、奇跡が起きた。

あまりにも混んでいたので、係の人が増えてゲートが増設された。

そして、私は新しいゲートの方に誘導され、あと数人という所になった。

残り10分。
もう、靴も手に持つも貴金属も全て取り外し準備万端。

気持ち的には全裸でもいいと思ったぐらい。なにしろ、早く通りたい。

そして、残り5分。 通った。

ダッシュすれば間に合う。

どんなに疲れても、走りぬく気持ちはあった。

弱音は吐かない。骨が折れようがなにしようが、全力で前進するのみ。
肺はもう潰れてもよい。

彼女の一人で寂しいだろう。
絶対に迎えにいくから。そう細君には告げたので約束は果たす。
そう念じて、全力でダッシュした瞬間だった。

行き止まりだった。

そして、両脇には電車が見える。

出発ロビーへはここから電車に乗るようだ。

電車の中をダッシュしようと思ったが、無駄だろう。

しかし、まだあきらめない。電車はピストンのようにどんどんくる。

とりあえず乗る。とにかく遅い。気持ちが焦っているので、遅く感じる。

もう時計は見ない。もしかしたら、遅れてる可能性もある。

やることは全力で出発ゲートに行くことだけだ。

電車を降りる。直ぐに長い階段があったが、エスカレータは方側を開けてない人もいたので、階段をダッシュしたほうが早いだろう。

階段を上がると、迷路のように案内がごちゃごちゃ書いてあったので、近くにいた両替所の人に聞いて、出発ゲートを教えてもらった。

ダッシュ、もう人目は気にならない。とにかく走った。

ここには、ファーストフード店は、本屋、そしてスロットなどもあった。本来なら、ゆっくり二人で遊んでいたう。

しかし、この飛行機に乗れなかったら私は帰れない。

何があっても乗るしかない。

望みは持っていた。

そして、出発ゲートについた。

いや、出発ゲートがない。

どこにある。ない。

ここには、スチュワーデスさんがいて、チケットをここに通して下さいとか案内してるはずだ。

しかし、そこには何にもない。
誰もいない。
細君は無事飛行機に乗れたのか。

ぐるっと近くのゲートを全てみてみたが、どのゲートも出発直前のような雰囲気ではない。

出発ゲートだったと思わしき場所には、
チケットを掴んで、立ちすくしてる、アジア系の好青年というかモデルというか、イケメンが青白い顔して立っていただけだった。

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