【アメリカ新婚旅行】 10日目 part4 新婚旅行で一人、全財産$10から、パスポート・財布を見事ゲット。残り15分。間に合うか、日本に帰れるのか。

また、出発ロビー行きのシャトルバスに乗る。バスの中で待っている間もドキドキだ。

アジアの好青年が、スーツケースも無しにカメラだけでバスに乗っている。

異様な光景だった。
バスが到着すると直ぐに降りたかったが、スーツケース、それに巨大な尻が邪魔をして出られない。

本当に、なんであんなに尻に脂肪が溜まるのか、不思議で仕方ない。

そんな巨大な尻の後ろをとぼとぼと詰めて、バスを降りる。降りたらダッシュ。

そして、やっと。。。。。。

おおおお!!セキュリティーチェックが激混み。しかも、遅い。あと、15分で飛行機は出発か。

とりあえず、警備員に事情を話すが取りあってくれない。

しかし、絶対あきらめない。俺は何としてでも帰る。

帰れない場合は、少ない資金を元手に、水を売って富豪になる。
今度は最初から、クーラーボックスも買える。あっというまに、富豪であろう。

あきらめたら全てが終わる。精神力だけで、ゲートを通ってやる。

そう強く信じていたら、奇跡が起きた。

あまりにも混んでいたので、係の人が増えてゲートが増設された。

そして、私は新しいゲートの方に誘導され、あと数人という所になった。

残り10分。
もう、靴も手に持つも貴金属も全て取り外し準備万端。

気持ち的には全裸でもいいと思ったぐらい。なにしろ、早く通りたい。

そして、残り5分。 通った。

ダッシュすれば間に合う。

どんなに疲れても、走りぬく気持ちはあった。

弱音は吐かない。骨が折れようがなにしようが、全力で前進するのみ。
肺はもう潰れてもよい。

彼女の一人で寂しいだろう。
絶対に迎えにいくから。そう細君には告げたので約束は果たす。
そう念じて、全力でダッシュした瞬間だった。

行き止まりだった。

そして、両脇には電車が見える。

出発ロビーへはここから電車に乗るようだ。

電車の中をダッシュしようと思ったが、無駄だろう。

しかし、まだあきらめない。電車はピストンのようにどんどんくる。

とりあえず乗る。とにかく遅い。気持ちが焦っているので、遅く感じる。

もう時計は見ない。もしかしたら、遅れてる可能性もある。

やることは全力で出発ゲートに行くことだけだ。

電車を降りる。直ぐに長い階段があったが、エスカレータは方側を開けてない人もいたので、階段をダッシュしたほうが早いだろう。

階段を上がると、迷路のように案内がごちゃごちゃ書いてあったので、近くにいた両替所の人に聞いて、出発ゲートを教えてもらった。

ダッシュ、もう人目は気にならない。とにかく走った。

ここには、ファーストフード店は、本屋、そしてスロットなどもあった。本来なら、ゆっくり二人で遊んでいたう。

しかし、この飛行機に乗れなかったら私は帰れない。

何があっても乗るしかない。

望みは持っていた。

そして、出発ゲートについた。

いや、出発ゲートがない。

どこにある。ない。

ここには、スチュワーデスさんがいて、チケットをここに通して下さいとか案内してるはずだ。

しかし、そこには何にもない。
誰もいない。
細君は無事飛行機に乗れたのか。

ぐるっと近くのゲートを全てみてみたが、どのゲートも出発直前のような雰囲気ではない。

出発ゲートだったと思わしき場所には、
チケットを掴んで、立ちすくしてる、アジア系の好青年というかモデルというか、イケメンが青白い顔して立っていただけだった。

ラスベガスでパスポートも財布も全て失う 全財産は$10

帰りは二人バラバラ。飛行機はないし日本に帰れないんじゃいないかな。

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